『日中韓はひとつになれない』小倉紀蔵 ☆☆☆★★

東アジア地域で日本は他の国とは異なる思想を持っている。日本人にとって、性善説は『基本的に人は良いものである』と捉えており、あまり重要視されない。どちらかというと西洋の思想である『性悪説』が主流で、まず人を疑ってかかるというのが対外的には用いられる。日本以外の東アジアでは、これとは異なり『性善説』が中心である。しかし注意しなければならないのが、日本人の考える性善説と、他の東アジア地域が考える性善説は内容が大きく異なることである。その性善説を簡単に言うと『人はみな平等でその内心は善なるもの』であり『自分と異なる価値観をもっている人は努力を怠っており善なる存在から外れている、修正排除しなければいけない』という考えである。韓国の市民は自分の価値観を声高に唱え、他者に押し付け、なおかつ自分の足元は決して見ない。これも彼らの『性善説』から来ている。彼の国は価値観の多様化や民主主義が浸透していない。